後継者の「新たな挑戦」と、企業の「未来へのバトン」を国が支援する補助金です。
1. 事業承継・M&A補助金の全体像
事業を引き継ぐ形態によって、活用できる枠組みが異なります。
親族・従業員への承継
① 事業承継促進枠
後継者が引き継いだ後の、店舗改修・設備投資・新商品開発などの「新しい挑戦」を支援する枠です。
第三者へのM&A
② 専門家活用枠
M&Aを検討している買い手・売り手に対し、仲介手数料やデューデリジェンス費用などを支援する枠です。
2. 各枠の詳細解説
① 事業承継促進枠
補助上限額
最大1,000万円
※賃上げ要件未達成時は800万円
補助率
1/2 〜 2/3
※小規模事業者は2/3
主な対象経費
設備費、外注費、旅費など
【重要要件】
- 承継予定者が対象会社で3年以上の経験、または親族であること。
- 付加価値額を年率3%以上向上させる5年間の事業計画を策定すること。
- 認定経営革新等支援機関の確認を受けること。
② 専門家活用枠
補助上限額
最大600万円
※DD費用上乗せで+200万円可能
補助率
1/2 〜 2/3
※買い手支援は2/3
主な対象経費
仲介手数料、DD費用など
【重要要件】
- 依頼する業者が「M&A支援機関登録制度」に登録されていること。
- 最終契約書に基づくクロージングが補助事業期間内に完了すること。
- 買い手支援の場合、デューデリジェンス(DD)の実施が必須。
3. 申請にあたっての重要ポイント
GビズIDの早期取得
申請は電子申請(Jグランツ)のみです。ID取得には2〜3週間かかるため、真っ先に着手しましょう。
「相見積」の徹底
原則として2者以上からの相見積が必須です。50万円未満でも必要となる場合があり、証憑の不備は不採択に直結します。
採択後の報告義務
補助金を受け取った後も、5年間にわたり「事業化状況報告」を行う義務があります。これを怠ると返還請求の対象となります。
4. 申請に向けた具体的ステップ
事業承継促進枠の10ステップ
- 1. 公募要領・サイトの確認
- 2. 認定経営革新等支援機関の選定
- 3. GビズIDプライムの取得
- 4.必要書類の取り寄せ・準備
- 5.事業承継計画・補助計画の策定
- 6.認定経営革新等支援機関による計画確認
- 7.加点書類の準備(任意)
- 8.Jグランツでの申請入力・書類添付
- 9. 申請提出・完了
- 10. 事務局審査・対応
専門家活用枠の9ステップ
- 1. 募集要件の確認
- 2. 専門家の選定(仲介・FA)
※ 「M&A支援機関登録制度」登録業者から選定。 - 3. GビズIDプライムの取得
- 4.必要書類の準備
- 5.専門家との契約・見積
- 6.加点事由の確認
- 7. Jグランツでの
- 8. 申請の提出
- 9. 事務局対応
5. よくある質問(FAQ)
Q. 親族に継がせる場合、設備投資に補助金は出ますか?
A. はい、「事業承継促進枠」が活用可能です。後継者が中心となって取り組む設備投資や販路開拓に対し、最大1,000万円(賃上げ要件達成時)が補助されます。ただし、経営権と所有権(株式等)の両方が移転することが条件となります。
Q. M&Aの仲介手数料は補助の対象になりますか?
A. 「専門家活用枠」で対象になります。ただし、依頼する仲介業者やFAが「M&A支援機関登録制度」に登録されていることが必須条件です。登録されていない業者への支払いは補助対象外となります。
Q. まだ相手が決まっていませんが、M&A補助金の申請はできますか?
A. 可能です。補助事業期間内に基本合意や最終契約の締結が見込まれるのであれば、候補先を探している段階から申請を行うことができます。
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