【第19回】小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>の公募要領を徹底解説|次回公募に向けて知っておきたいポイント

小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>の第19回公募は2026年4月30日(木)17:00をもって申請受付を終了しました。本記事では、第19回の公募要領をもとに、補助上限額・補助対象経費・インボイス特例や賃金引上げ特例の内容、そして加点項目までを網羅的に解説します。

第20回公募(2026年春〜夏に公募要領公開予定)を見据えて準備を進めたい小規模事業者の方は、ぜひ参考にしてください。

※本記事は中小企業庁および補助金事務局が公表している第19回公募要領(第6版:2026年3月6日)に基づいて作成しています。次回公募では要件や金額が変更される可能性があるため、申請時には必ず最新の公募要領をご確認ください。

1. 小規模事業者持続化補助金とはどのような制度か

小規模事業者持続化補助金(以下、持続化補助金)は、小規模事業者が自ら経営計画を策定し、地域の商工会・商工会議所の支援を受けながら販路開拓等に取り組む際の経費の一部を補助する制度です。

物価高騰、賃上げ、インボイス制度の導入など、小規模事業者が今後複数年にわたって直面する経営環境の変化に対応するため、生産性向上と持続的発展を支援することを目的としています。

制度の特徴

  • 補助対象経費が幅広い(機械装置、ウェブサイト、広報、展示会出展など)
  • 商工会・商工会議所の伴走支援を受けながら申請する
  • 商工会・商工会議所の会員でなくても申請可能
  • 補助金は後払い(精算払い)

2. 第19回公募の基本情報

公募スケジュール

項目日程
公募要領公開2026年1月28日(水)
申請受付開始2026年3月6日(金)
事業支援計画書(様式4)発行受付締切2026年4月16日(木)
申請受付締切2026年4月30日(木)17:00
採択発表予定2026年7月頃
補助事業実施期限2027年6月30日(水)
実績報告書提出期限2027年7月10日(土)

申請方法

申請は電子申請システム(jizokuka-portal)からの提出のみで、郵送申請は受け付けられません。電子申請にはGビズIDプライムのアカウント取得が必須です。アカウント取得には数週間程度を要するため、早めの準備が必要でした。

3. 補助対象者の要件

第19回公募で補助対象となるのは、以下の3つの要件をすべて満たす日本国内の小規模事業者等です。

(1) 小規模事業者であること

業種ごとに常時使用する従業員数が以下の基準以下である必要があります。

業種常時使用する従業員の数
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業20人以下
製造業その他20人以下

会社役員や同居の親族従業員、日雇労働者などは「常時使用する従業員」に含まれません。

(2) 大企業の子会社でないこと(法人のみ)

資本金または出資金が5億円以上の法人に直接または間接に100%の株式を保有されていないことが必要です。

(3) 課税所得の年平均額が15億円以下であること

確定している直近過去3年分の課税所得の年平均額が15億円を超えていないことが要件となります。

補助対象となる事業者・ならない事業者

対象となりうる事業者

  • 株式会社、合同会社、合名会社、合資会社などの会社
  • 個人事業主(商工業者)
  • 一定の要件を満たす特定非営利活動法人
  • 士業法人(弁護士・税理士法人等)

対象とならない事業者

  • 医師、歯科医師、助産師
  • 一般社団法人、医療法人、社会福祉法人、学校法人など
  • 申請時点で開業していない創業予定者
  • 任意団体

4. 補助上限額・補助率(2つの特例で最大250万円に)

第19回公募では、補助上限額が以下のように設定されました。

区分補助上限額補助率
通常枠50万円2/3
インボイス特例適用+50万円(計100万円)2/3
賃金引上げ特例適用+150万円(計200万円)2/3(赤字事業者は3/4)
両特例の併用+200万円(計250万円)2/3(赤字事業者は3/4)

インボイス特例とは

免税事業者から適格請求書発行事業者(インボイス発行事業者)へ転換した小規模事業者を支援する特例です。以下の両方を満たす必要があります。

  • 補助事業終了時点で適格請求書発行事業者の登録を受けていること
  • 2021年9月30日から2023年9月30日の属する課税期間で一度でも免税事業者であったか、または2023年10月1日以降に創業した事業者

賃金引上げ特例とは

最低賃金引上げに加えてさらなる賃上げに取り組む事業者を支援する特例です。

  • 要件:補助事業終了時点で、事業場内最低賃金を申請時より+50円以上引き上げること
  • 赤字事業者への優遇:直近1期または直近1年間の課税所得がゼロ以下の事業者は、補助率が2/3から3/4に引き上げ

⚠️ 注意点:特例を選択した場合、要件を1つでも満たさないと、特例による上乗せ部分だけでなく補助金全体が交付対象外となります。

5. 補助対象経費(8区分)

第19回では、以下の8つの経費区分が補助対象とされました。

① 機械装置等費

補助事業の遂行に必要な機械装置等の購入経費。単価50万円(税抜)以上は処分制限財産となり、一定期間の処分が制限されます。汎用性の高いパソコン・タブレット・事務用プリンター等は対象外です。

② 広報費

パンフレット・ポスター・チラシ等の作成や広報媒体活用の経費。単なる会社PRや営業活動目的のものは対象外で、販路開拓につながる商品・サービスの広報が対象です。

③ ウェブサイト関連費

ECサイト、システム開発、SNS広告、SEO対策などの経費。ただし、ウェブサイト関連費のみでの申請は不可で、他の経費と組み合わせる必要があります。また、補助金交付申請額の1/4(最大50万円)が上限です。

④ 展示会等出展費

新商品等の展示会出展や商談会参加の経費。オンライン展示会も対象。交付決定日より前に発行された請求書は対象外となるため要注意です。

⑤ 旅費

販路開拓のための出張旅費。公共交通機関の実費が基本で、ガソリン代・タクシー代・高速道路通行料・日当などは対象外です。

⑥ 新商品開発費

試作品開発の原材料費、デザイン費、加工費など。試作開発用に購入した材料で使い切らなかった分は対象外です。

⑦ 借料

機器・設備のリース料・レンタル料。事務所家賃は原則対象外です。

⑧ 委託・外注費

店舗改装工事、バリアフリー化工事など、自ら実行することが困難な業務の委託費。「建物の増築・増床」など不動産取得に該当する工事は対象外です。

よくある誤解|対象外となる経費の代表例

  • 自動車、フォークリフト、キッチンカーなどの車両
  • パソコン、タブレット、汎用性の高い事務機器
  • 名刺、文房具などの消耗品
  • 通信費、光熱水費
  • 飲食費、接待費
  • 補助事業期間内に支払いが完了していないもの

6. 加点項目|採択率を上げるためのポイント

第19回では、重点政策加点と政策加点からそれぞれ1種類ずつ、合計2種類まで選択可能でした(2種類を超えて選択すると加点審査の対象外になるため要注意)。

重点政策加点

  1. 赤字賃上げ加点
  2. 事業環境変化加点(物価高騰等の影響を受けている事業者)
  3. 東日本大震災加点
  4. くるみん・えるぼし加点

政策加点

  1. 賃金引上げ加点(事業場内最低賃金を+30円以上引き上げ)
  2. 地方創生型加点(地域資源型・地域コミュニティ型)
  3. 経営力向上計画加点
  4. 事業承継加点(代表者60歳以上で後継者候補が事業を中心に推進)
  5. 過疎地域加点
  6. 一般事業主行動計画策定加点
  7. 後継者支援加点(アトツギ甲子園ファイナリスト等)
  8. 小規模事業者卒業加点
  9. 事業継続力強化計画策定加点
  10. 令和6年能登半島地震等に伴う加点

加点を狙う際の実務ポイント

加点項目の中には、「経営力向上計画の認定」「事業継続力強化計画の認定」「くるみん・えるぼし認定」「一般事業主行動計画の公表」など、事前の認定取得や公表手続きが必要なものがあります。次回公募を見据えるなら、こうした認定取得は早めに着手しておくことをおすすめします。

7. 申請手続きの流れ

第19回公募における申請の流れは以下のとおりでした。

  1. 公募要領の確認と事業計画書の作成
  2. 商工会・商工会議所への事業支援計画書(様式4)発行依頼
  3. GビズIDプライムのアカウント取得
  4. 電子申請システムでの申請書類提出
  5. 採択発表後、見積書等の提出
  6. 交付決定(採択発表から概ね1〜2ヶ月)
  7. 補助事業の実施
  8. 実績報告書の提出
  9. 補助金の交付(後払い)
  10. 補助事業終了後1年後の事業効果報告書の提出

重要な注意点

  • 事業支援計画書(様式4)の発行依頼は受付締切以降は一切できません。第19回では2026年4月16日が発行受付締切でした。
  • 交付決定日より前の発注・契約・支払いは補助対象外になります(展示会出展の申込みのみ例外)。
  • 補助金は精算払い(後払い)のため、自己資金での立替が必要です。

8. 採択審査の観点

採択審査では、以下の観点から計画書が評価されます。

基礎審査(満たさないと失格)

  • 必要な提出資料がすべて揃っていること
  • 補助対象者・補助対象事業・補助対象経費の要件に合致すること
  • 補助事業を遂行するために必要な能力を有すること
  • 小規模事業者が主体的に活動し、自社の技術やノウハウに基づく取組であること

計画審査

  1. 自社の経営状況分析の妥当性 - 自社の強み・弱みを適切に把握できているか
  2. 経営方針・目標と今後のプランの適切性 - 市場や顧客ニーズを捉えているか
  3. 補助事業計画の有効性 - 具体的で実現可能性が高いか、新たな価値を生み出すか、デジタル技術を有効活用しているか
  4. 積算の透明・適切性 - 事業費の計上が正確で必要な金額が計上されているか

過去に持続化補助金で採択された事業者は、過去事業との明確な差別化と、実施回数に応じた段階的な減点調整が行われる点にも注意が必要です。

9. 第19回公募のポイントを踏まえた次回公募への準備

第19回公募の内容を踏まえると、第20回公募に向けて以下の準備が有効と考えられます。

早めに着手すべきこと

  • GビズIDプライムのアカウント取得(取得に数週間)
  • 適格請求書発行事業者の登録(インボイス特例を活用する場合)
  • 経営力向上計画の認定取得(加点を狙う場合)
  • 事業継続力強化計画の認定取得(加点を狙う場合)
  • 事業場内最低賃金の現状把握(賃金引上げ特例・加点を活用する場合)
  • 商工会・商工会議所への事前相談

経営計画書作成時のポイント

  • 自社の経営状況を客観的にSWOT分析等で整理する
  • ターゲット顧客と市場ニーズを明確にする
  • 補助事業の実施が1年以内に売上につながる道筋を具体的に示す
  • デジタル技術の活用要素を盛り込む
  • 数値目標を具体的に設定する

10. よくある質問

Q1. 持続化補助金は商工会・商工会議所の会員でないと申請できないのか?
A. いいえ、会員でなくても申請可能です。ただし、事業支援計画書(様式4)の発行や補助事業実施における助言などの支援は、地域の商工会・商工会議所から受ける必要があります。

Q2. 過去に持続化補助金で採択された事業者は再度申請できるのか?
A. 過去回の事業実施期間終了日の属する月の翌月から1年が経過し、事業効果および賃金引上げ等状況報告書の提出が完了していれば申請可能です。ただし、過去の事業と異なる新たな事業内容である必要があります。

Q3. ウェブサイト制作だけで申請できるのか?
A. できません。ウェブサイト関連費のみでの申請は不可で、必ず他の経費区分と組み合わせる必要があります。また、ウェブサイト関連費は補助金交付申請額の1/4(最大50万円)が上限です。

Q4. 申請を税理士やコンサルタントに依頼してもよいか?
A. 第三者の支援を受けること自体は可能ですが、支援料金の支払いの有無にかかわらず、相手方と金額の記載が必須です。記載がない場合は虚偽報告として不採択・交付決定取消となります。また、社外の代理人のみで商工会・商工会議所への相談や様式4の発行依頼を行うことはできません。

まとめ

第19回小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>は、補助上限が最大250万円(両特例適用時)、補助率2/3(赤字事業者は3/4)という、小規模事業者にとって活用価値の高い制度でした。

公募要領は毎回少しずつ変更が加えられるため、次回公募(第20回)では要件や加点項目、補助上限額が変わる可能性があります。第20回は2026年春〜夏頃に公募要領公開予定とされていますので、最新情報を継続的にチェックしながら、商工会・商工会議所への事前相談や経営計画書の準備を早めに進めることをおすすめします。

当事務所では、小規模事業者持続化補助金をはじめとする各種補助金の申請サポートを行っております。事業計画書の作成や加点要件の整理など、次回公募に向けた準備のご相談を承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

出典・参考資料

  • 中小企業庁「中小企業庁担当者に聞く 令和7年度 小規模事業者持続化補助金(一般型(通常枠)・創業型)のポイント」(ミラサポplus)
  • 小規模事業者持続化補助金事務局「第19回公募 公募要領」(第6版:2026年3月6日)
  • 商工会地区:https://www.jizokukanb.com/jizokuka_r6h/
  • 商工会議所地区:https://r6.jizokukahojokin.info/

※当事務所では、補助金申請のサポートのほか、外国人雇用に関する在留資格(ビザ)申請のサポートも行っております。詳しくは結城法務事務所トップページをご覧ください。

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