【2026年6月申請開始】会社売却で最大450万円補助|事業承継・M&A補助金 小規模売り手支援類型を行政書士が解説
「後継者がいない」「会社をたたむより、誰かに引き継いでほしい」——そんなお悩みを抱える小規模事業者の経営者の方に、心強い味方となる補助金があります。
それが、2026年5月22日に公募要領が公開された 事業承継・M&A補助金(15次公募)「専門家活用枠 小規模売り手支援類型」 です。
この類型は、15次公募から新たに追加された 「売り手側の小規模事業者」に特化した支援制度 で、M&Aの仲介手数料やFA(ファイナンシャル・アドバイザー)費用といった、これまで売り手の大きな負担となっていた専門家手数料を補助対象としています。
本記事では、行政書士の視点から、本補助金の概要・対象経費・申請手続き・通常類型との違いまで、わかりやすく解説いたします。
1. 「小規模売り手支援類型」とは?
制度の概要
「事業承継・M&A補助金 専門家活用枠(小規模売り手支援類型)」は、事業再編・事業統合に伴って株式や経営資源を譲り渡す予定の「小規模事業者等」を対象に、M&Aを進める過程で必要となる専門家への手数料を補助する制度です。
事業の目的として、公募要領には次のように記載されています。
小規模事業者等におけるM&Aを推進させるために、FA(ファイナンシャル・アドバイザー)や仲介業者等の専門家への手数料負担を軽減することで、より円滑にM&Aを行える環境を整備する
つまり、「専門家費用が高くてM&Aに踏み切れない」という小規模事業者の声に応えた制度 といえます。
「小規模事業者等」の定義
本類型を利用できるのは、商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律に準じた「小規模事業者等」に限られます。具体的には次の通りです。
| 業種分類 | 定義 |
|---|---|
| 製造業その他 | 従業員20人以下の会社及び個人事業主 |
| 商業(卸売業・小売業)・サービス業 | 従業員5人以下の会社及び個人事業主 |
| サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 従業員20人以下の会社及び個人事業主 |
このほか、日本国内で事業を営んでいること、法人の場合は3期分の決算・申告が完了していること、個人事業主の場合は開業届の提出から5年が経過していることなど、複数の要件があります。
2. 補助率・補助上限額・対象経費
補助率と補助上限額
15次公募における「小規模売り手支援類型」の補助率・補助上限は以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 補助対象経費の 2/3以内 |
| 補助下限額 | なし |
| 補助上限額 | 450万円以内 |
| 廃業費の併用申請 | +150万円 |
ポイント:
- 補助事業期間内に経営資源の引継ぎ(クロージング)が実現しなかった場合は、補助上限額が 50万円以内 に変更されます。
- 廃業費は、関連する経営資源の引継ぎが補助事業期間内に実現しなかった場合は補助対象外となります。
- 補助金は事業完了後の「精算払い(実費弁済)」のため、一時的な資金繰りは事業者側で確保する必要があります。
※最新の補助率・補助上限額は、必ず事業承継・M&A補助金 公式サイトで公募要領をご確認ください。
主な補助対象経費
専門家活用枠(小規模売り手支援類型)では、以下の経費が補助対象となります。
- 委託費:FA・M&A仲介業者への着手金、中間報酬、成功報酬、価値算定費用、デュー・ディリジェンス費用、契約書作成・レビュー費用 など
- 謝金:士業や大学教授等への学術的観点からの相談料
- 旅費:事業のための国内・海外出張費(公共交通機関のエコノミークラス等、上限あり)
- 外注費:業務の一部を第三者へ外注(請負)する場合の費用
- システム利用料:M&Aマッチングプラットフォームの登録料・利用料
- 保険料:表明保証保険に係る保険料(売り手手配のものが対象)
- 廃業費:廃業支援費、在庫廃棄費、解体費、原状回復費、リースの解約費、土壌汚染調査費、移転・移設費用
【重要】M&A支援機関登録制度に登録された業者の利用が必須
FA・M&A仲介費用を補助対象とする場合、「M&A支援機関登録制度」に登録された登録FA・仲介業者の利用が必須です。登録の有無はM&A支援機関登録制度ホームページで確認できます。
3. 申請スケジュールと申請の流れ
15次公募のスケジュール
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 公募要領公開 | 2026年5月22日(金) |
| 申請受付期間 | 2026年6月中旬 ~ 7月下旬(17:00厳守) |
| 補助事業期間 | 2026年9月下旬から14か月以内(予定) |
※申請受付期間の詳細は、公式サイトでご確認ください。締切日時を過ぎての申請は受け付けられません。
申請の流れ
事業の流れは大まかに次のステップで進みます。
- GビズIDプライムアカウントの取得(未取得の場合は早めに。発行に1~3週間程度かかります)
- 公募要領の確認・申請書類の準備
- Jグランツ(電子申請システム)からの公募申請
- 採択通知の受領
- 交付申請 → 交付決定通知の受領
- 交付決定通知書を受け取った後に補助事業に着手(専門家との委託契約締結など)
- 補助事業の実施(M&Aの進行)
- 実績報告書の提出 → 確定検査 → 補助金の請求・受領
- 事業化状況報告(3年間)
4. 通常の「専門家活用枠(買い手・売り手支援類型)」との違い
事業承継・M&A補助金の「専門家活用枠」には、従来からある 「買い手・売り手支援類型」(補助上限800万円) と、15次公募から新設された 「小規模売り手支援類型」(補助上限450万円) の2つの公募があります。
両者の主な違いは以下の通りです。
| 項目 | 通常の専門家活用枠(買い手・売り手支援類型) | 小規模売り手支援類型【本記事の対象】 |
|---|---|---|
| 対象者 | 中小企業者等(買い手・売り手) | 小規模事業者等の売り手のみ |
| 補助上限 | 800万円以内 | 450万円以内 |
| 補助率 | 1/2 または 2/3 | 2/3以内 |
| 廃業費の併用 | 可能 | 可能(+150万円) |
| 申請の重複 | 同一公募回で双方への申請は 不可 | |
「自社は買い手側だ」「もう少し規模が大きい」という方は、通常類型の方が適している可能性があります。詳細は以下の記事もあわせてご覧ください。
👉 専門家活用枠の通常類型(買い手・売り手支援類型)の詳細はこちら
なお、通常類型と小規模売り手支援類型は、同一公募回での重複申請はできません。どちらが自社に最適か、事前に専門家へご相談ください。
5. 申請にあたっての注意点
① 交付決定前の契約・支出は補助対象外(事前着手制度は原則廃止)
本補助金で特に注意すべきは、「交付決定通知書を受領した後でなければ、補助対象となる契約・発注・支払いはできない」 という点です。
公募要領にも明記されています。
交付決定通知書受理後に補助事業に着手(専門家との委託契約締結等)を実施するように留意すること。
つまり、「先に仲介業者と契約してしまった」という場合、その費用は補助の対象になりません。これは過去の公募で運用されていた事前着手制度の取扱いとは異なるため、FAや仲介業者との契約タイミングには細心の注意が必要です。
② 原則2者以上の相見積もりが必要
補助対象経費は、原則として 2者以上から相見積もりを取得することが必須 です。特に「外注費」「委託費」「システム利用料」「保険料」は、1件50万円未満であっても相見積もりが必要です。
ただし、FA・仲介費用については、レーマン方式に基づく算出金額以下であれば相見積もり不要とされるなど、一定の例外があります。
③ 事業者本人の理解・関与が必須
公募要領には、申請者本人が内容を理解し、確認した上で申請手続きを行う必要があると明記されています。
事業者本人の理解が著しく不足したまま申請がなされていることが発覚した場合や、事業者が申請内容や補助事業計画について著しく認識を欠く場合は、交付決定後であっても交付決定取消等の措置を講ずる場合があるため、留意すること。
「専門家にすべてお任せ」では通用しません。事業者と専門家がしっかりとコミュニケーションを取りながら申請を進めることが重要です。
④ 申請代行ができるのは「行政書士」のみ
ここが最も重要なポイントです。公募要領には次のように記載されています。
行政書士(又は行政書士法人)でない者が、申請者に変わって有償で申請の作成をおこなうことは、行政書士法違反に該当する可能性があるほか、交付決定後に行政書士(又は行政書士法人)以外が申請の作成を行ったことが判明した場合、交付決定の取消となる可能性がある。
つまり、有償で申請書類の作成を代行できるのは、行政書士または行政書士法人だけ と公募要領で明記されています。コンサルタントや仲介業者などが有償で申請代行を行うことは、行政書士法違反となるおそれがあるだけでなく、せっかく採択されても交付決定取消のリスクを負うことになります。
6. 行政書士に申請代行を依頼するメリット
① 適法な申請代行が可能
前述の通り、有償での申請書類作成代行は行政書士の独占業務です。行政書士に依頼することで、行政書士法に則った安心・適法な申請が可能となり、「申請代行者の資格不備による交付決定取消」というリスクを完全に回避できます。
② 複雑な必要書類の整備をワンストップでサポート
本補助金の申請には、履歴事項全部証明書、決算書類、株主名簿、住民票、労働条件通知書など、多数の書類が必要です。さらに、加点事由を活用する場合は、それぞれの認定書や計画書類の添付も必要となります。
行政書士は 書類作成・収集の専門家として、必要書類を漏れなく整備し、不備による差戻しを防ぎます。
③ 公募要領を読み解く力
本補助金の公募要領は、別紙を含めると70ページを超える分量があり、要件・対象経費・必要書類・加点事由など、内容が多岐にわたります。法令・規程の読解に慣れた行政書士であれば、公募要領を正確に解釈し、お客様にとって最適な申請プランを設計することが可能です。
④ M&A後の許認可変更にも対応
行政書士は、許認可業務の専門家でもあります。M&A完了後に必要となる 建設業許可、産業廃棄物処理業、運送業、飲食業などの許認可の変更・承継手続き にもワンストップで対応可能です。M&Aは「成約して終わり」ではありません。承継後の事業継続に必要な許認可手続きまで見据えてサポートできるのは、行政書士ならではの強みです。
7. まとめ:後継者不在でお悩みなら、お早めにご相談を
事業承継・M&A補助金「小規模売り手支援類型」は、これまで「専門家費用が高くてM&Aを諦めていた」小規模事業者にとって、大きな後押しとなる新制度です。
- 補助率 2/3、補助上限 450万円(廃業費を併用すれば +150万円)
- 申請受付期間は 2026年6月中旬~7月下旬
- GビズIDプライムの取得には1~3週間程度かかるため、早めの準備を
- 申請代行ができるのは 行政書士のみ
「うちの会社、対象になるのか相談したい」「申請書類の作成をお願いしたい」「M&A後の許認可変更も含めてサポートしてほしい」——そうお考えの経営者様は、ぜひ当事務所までお問い合わせください。
初回相談は無料で承っております。会社売却・事業譲渡をお考えの小規模事業者の経営者様、後継者不在でお悩みの方は、お一人で抱え込まず、まずはお気軽にご連絡ください。
📞 お電話でのお問い合わせ:[090-1695-6956]
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【免責事項】
本記事は2026年5月22日公開の事業承継・M&A補助金(15次公募)専門家活用枠 小規模売り手支援類型 公募要領(Ver.1.0)に基づき作成しています。補助率・補助上限・対象経費・申請期間等は、今後の運用や追加の事務連絡で変更される可能性があります。申請にあたっては、必ず事業承継・M&A補助金 公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。
【参考リンク】
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