【2026年6月申請開始】会社売却で最大450万円補助|事業承継・M&A補助金 小規模売り手支援類型を行政書士が解説
「会社を誰かに引き継いでほしい。でも、M&A仲介会社に払う成功報酬や着手金が数百万円と聞いて、話が前に進まない」——後継者不在で会社や事業の譲渡を検討している小規模事業者の経営者様から、いま最も多く聞くお悩みです。
そのM&A仲介手数料・FA費用・デュー・ディリジェンス費用・契約書レビュー費用を、国が最大450万円(補助率2/3)まで補助してくれる制度があります。それが、事業承継・M&A補助金「専門家活用枠 小規模売り手支援類型」(15次公募)です。2026年5月22日に公募要領が公開され、申請受付は2026年6月19日〜7月24日17:00までとなっています。
この記事では、川崎・武蔵小杉の行政書士が、本補助金の補助率・上限額・対象になる費用・申請スケジュールを一次資料(公募要領)に基づいてわかりやすく解説します。「専門家費用が高くてM&Aを諦めていた」という方は、ぜひ最後までご確認ください。
補助率・上限額・スケジュールを表で即確認
まず、いちばん知りたい「いくら・いつまで・どのくらい」を表で確認できるようにまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 補助対象経費の2/3以内 |
| 補助上限額 | 450万円以内 |
| 補助下限額 | なし |
| 廃業費の併用 | +150万円(廃業・再チャレンジ枠との併用申請) |
| 申請受付期間 | 2026年6月19日(金)〜7月24日(金)17:00(厳守) |
| 補助事業期間 | 2026年9月下旬から14か月以内(予定) |
| 申請方法 | Jグランツによる電子申請(GビズIDプライムが必要) |
たとえば、M&A仲介手数料などの補助対象経費が675万円かかった場合、その2/3にあたる450万円が補助され、実質的な自己負担は225万円まで圧縮できます(上限に達した場合)。
【重要な注意点】補助事業期間内にM&Aがクロージング(成約・決済完了)まで至らなかった場合は、補助上限額が50万円以内に変更されます。この場合でも、着手金・システム利用料・デュー・ディリジェンス費用は補助対象として認められます。
どんな費用が補助されるのか(対象経費の実費リスト)
「自分が払っている(払う予定の)あの費用は対象になるのか?」——ここがいちばん気になる部分だと思います。公募要領(別紙・補助対象経費)に基づき、売り手側で対象になる主な費用を具体的に挙げます。
M&A仲介・FAに支払う費用(委託費)
- 着手金(アドバイザリー契約に基づき支払う着手金)
- マーケティング費用(承継候補先の選定・アプローチに係る費用)
- リテーナー費用(月額報酬)
- 基本合意時報酬
- 成功報酬
- 価値算定費用(企業価値・株式価値等の算定費用)
【必ず確認】これらのFA・仲介費用は、「M&A支援機関登録制度」に登録された登録FA・仲介業者による支援のみが補助対象です。登録されていない業者に支払った費用は、たとえ内容が同じでも補助対象外になります。依頼を検討している業者が登録済みかどうかは、必ず中小企業庁またはM&A支援機関登録制度事務局のサイトで確認してください。
各種専門家に支払う費用
- デュー・ディリジェンス費用(売り手によるDD実施費用)
- 契約書等の作成・レビュー費用(最終契約書等の作成を弁護士に委任した場合)
- クロージングに向けた手続き費用(弁護士への依頼費用)
- 不動産鑑定評価書の取得費用(不動産鑑定士)
- 不動産売買・定款変更・根抵当権等の登記費用(司法書士)
- 許認可等の申請費用(行政書士)
- 労務関連手続きの費用(社会保険労務士)
- 表明保証保険の保険料(売り手手配のもの)
廃業費(廃業・再チャレンジ枠と併用する場合/上限+150万円)
- 廃業支援費(廃業登記手続きに伴う司法書士への申請資料作成費用)
- 在庫廃棄費・解体費・原状回復費
- リースの解約費・土壌汚染調査費・移転移設費用
事業の一部または一つの事業所の廃業・廃止を伴うM&Aの場合、これらの廃業費を併用申請できます。廃業に伴うコストにお悩みの方は、あわせて廃業・再チャレンジ枠の解説記事もご覧ください。
補助対象になるのはどんな事業者か
本類型は「小規模事業者等」が対象です。従業員数の基準は以下のとおりです。
| 業種 | 小規模事業者等の定義 |
|---|---|
| 製造業その他 | 従業員20人以下の会社・個人事業主 |
| 商業・サービス業 | 従業員5人以下の会社・個人事業主 |
| サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 従業員20人以下の会社・個人事業主 |
このほか、主な要件として次のようなものがあります(詳細は公募要領をご確認ください)。
- 日本国内に拠点を置き、日本国内で事業を営んでいること
- 地域経済に貢献している(または貢献予定の)小規模事業者等であること
- 法人の場合、申請時点で設立登記および3期分の決算・申告が完了していること
- 個人事業主の場合、開業届・青色申告承認申請書の提出日から5年が経過していること
- 反社会的勢力でないこと、法令遵守上の問題を抱えていないこと
【申請単位の注意】株式譲渡の場合、支配株主または株主代表が申請するときは、対象会社との共同申請が必須です。ご自身のケースがどの申請類型に当たるか判断に迷う場合は、専門家にご相談ください。
通常の「売り手支援類型」(上限800万円)との違い
専門家活用枠には、補助上限を800万円とする「売り手支援類型」と、本記事で解説している上限450万円の「小規模売り手支援類型」があります。
大きな違いは、本類型が「小規模事業者等」に対象を限定している点です。上表の従業員基準を満たす小規模事業者であれば、本類型(小規模売り手支援類型)が該当します。なお、両類型を同一公募回で同時に申請することはできません。ご自身の規模がどちらに当たるか、事前に確認しておくことが重要です。
申請の流れと、着手のタイミングに関する重大な注意
申請から補助金受給までの大まかな流れは次のとおりです。
- GビズIDプライムアカウントの取得(未取得の場合。発行に1〜3週間かかるため要注意)
- 公募要領の確認・申請書類の準備
- Jグランツから公募申請(2026年6月19日〜7月24日17:00)
- 採択通知の受理
- 交付申請 → 交付決定通知の受理
- 交付決定後に補助事業へ着手(専門家との委託契約締結など)
- 実績報告 → 補助金の交付(精算払い)
【最重要】着手のタイミングを間違えると補助対象外になります。補助対象経費として認められるのは、原則として交付決定日以降に契約・発注し、補助事業期間内に支払いまで完了した経費です。交付決定より前にFA・仲介業者と委託契約を結んでしまうと、その費用は補助対象外となる可能性が高いため、着手のタイミングは慎重に判断する必要があります。
また、委託費・外注費・システム利用料・保険料については、1件50万円未満でも原則2者以上からの相見積が必須です(一定の条件を満たす場合を除く)。この点も見落としやすいポイントです。
申請書類の有償作成代行は「行政書士の独占業務」です
本補助金の申請にあたっては、公募要領に次のように明記されています。
行政書士(又は行政書士法人)でない者が、申請者に変わって有償で申請の作成をおこなうことは、行政書士法違反に該当する可能性があるほか、交付決定後に行政書士(又は行政書士法人)以外が申請の作成を行ったことが判明した場合、交付決定の取消となる可能性がある。
事業承継・M&A補助金(15次公募)専門家活用枠【小規模売り手支援類型】公募要領 12.2
つまり、この補助金の公募要領では、有償で申請書類の作成を代行できるのは行政書士(または行政書士法人)に限られるとされています。無資格のコンサルタント等に有償で申請書類の作成を依頼すると、行政書士法違反の問題が生じるだけでなく、交付決定そのものが取り消されるリスクがあります。せっかく採択されても補助金を受け取れなくなる事態は、絶対に避けなければなりません。
なお、M&A仲介・FA業務そのものは登録FA・仲介業者が担い、補助金の申請書類作成は行政書士が担うという役割分担で進めるのが、公募要領に沿った適法かつ安全な進め方です。
当事務所のサポート
結城法務事務所(川崎・武蔵小杉)では、事業承継・M&A補助金の申請書類の作成代行を、公募要領に準拠した適法な形でサポートしています。「どの申請類型に当たるか分からない」「着手のタイミングをどうすればいいか」「登録FA業者の選定も含めて相談したい」といった段階からのご相談も歓迎です。
GビズIDプライムの発行には1〜3週間かかり、申請受付は2026年7月24日17:00で締切となります。ご検討中の方はお早めにご相談ください。料金については補助金申請サポート料金のご案内を、ご相談はお問い合わせページをご覧ください。
よくある質問
Q. M&Aが成約しなかった場合、補助金はもらえませんか?
A. 補助事業期間内にクロージング(成約・決済完了)まで至らなかった場合、補助上限額は50万円以内に変更されますが、基本合意書の締結済みを条件に、着手金・システム利用料・デュー・ディリジェンス費用は補助対象として認められます。
Q. 譲渡価格が0円や1円のM&Aでも対象になりますか?
A. 取引価格の合理性が確認できない0円譲渡や株価1円の取引は、実質的な事業再編・事業統合とみなされず、原則として補助対象外です。また、物品・不動産のみの売買や、従業員の引継ぎを伴わない譲渡も対象外となる場合があります。
Q. 親族に事業を引き継ぐ場合は対象になりますか?
A. 親族間の事業承継は、実質的な事業再編・事業統合とみなされないため、原則として補助対象外です。第三者への譲渡が対象となります。
※本記事は2026年5月22日公開の「事業承継・M&A補助金(15次公募)専門家活用枠【小規模売り手支援類型】公募要領 Ver.1.0」に基づき作成しています。制度内容は変更される場合があります。申請にあたっては、必ず事業承継・M&A補助金の公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。個別のケースの補助対象可否は事務局の判断によります。
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