補助金申請を専門家に頼むといくら?費用相場と、料金より先に確認すべきこと
「補助金の申請を専門家に頼みたい。でも、いくら取られるのか分からないから声をかけられない」——お問い合わせの前に、多くの方がここで止まります。
補助金申請支援の費用は、着手金と成功報酬の組み合わせで決まります。そして成功報酬は「採択された補助金額の10〜20%」が一般的です。500万円採択されれば、報酬は50〜100万円。決して小さい額ではありません。
この記事では、公開情報から確認できる制度別の費用相場を整理したうえで、そもそも「誰に頼めるのか」という、費用より先に確認すべき論点を行政書士の立場から解説します。
【制度別】補助金申請支援の費用相場
補助金の種類によって、事業計画書の分量も審査の難易度も大きく異なります。当然、支援費用の相場も変わります。
| 補助金の種類 | 着手金の目安 | 成功報酬の目安 |
|---|---|---|
| 小規模事業者持続化補助金 | 3〜5万円 | 採択額の5〜15% |
| IT導入補助金 | 5〜10万円 | 採択額の10〜15% |
| 中小企業省力化投資補助金 | 10〜15万円 | 採択額の10〜15% |
| ものづくり補助金 | 5〜15万円 | 採択額の10〜20% |
| 事業承継・M&A補助金 | 公開された相場情報がほとんど存在しない(後述) | |
| 完全成功報酬型(全般) | 0円 | 採択額の15〜25% |
表を見て気づかれた方もいるかもしれません。補助額が大きい制度ほど、成功報酬の「率」は下がる傾向にあります。率が同じなら報酬額が膨れ上がりすぎるためです。
事業承継・M&A補助金の相場が「見つからない」理由
費用相場を調べていて不思議に思われるのが、事業承継・M&A補助金だけ、料金情報がほとんど出てこないという点ではないでしょうか。
理由は、この制度が他の補助金と構造的に違うからです。
- 枠が細かく分かれている——事業承継促進枠、専門家活用枠、廃業・再チャレンジ枠、小規模売り手支援類型。それぞれ要件も補助上限も別物で、「事業承継・M&A補助金の相場は◯円」と一括りにできません。
- M&A実務との切り分けが必要——補助金申請の支援と、M&Aそのもの(相手探し、企業価値評価、契約書作成)の支援は別の業務です。後者を混ぜた見積もりは高額になりがちです。
- そもそも対応できる専門家が少ない——制度が複雑なため、汎用の申請代行業者が扱いにくい領域です。
つまり、この制度については「相場」を探すより、どの枠で申請するのかを固めたうえで個別に見積もりを取るほうが確実です。逆に、枠の特定もせずに一律の金額を提示してくる事業者には注意が必要です。
費用の内訳——着手金と成功報酬は何に対する対価か
着手金:採択されなくても発生する費用
着手金は、申請準備の作業に対する対価です。ヒアリング、要件の確認、事業計画書の起案、必要書類の洗い出し——採択・不採択にかかわらず、この作業は発生します。
着手金が「無料」の場合、その分は成功報酬に乗っています。完全成功報酬型の相場が15〜25%と高めなのはそのためです。「着手金0円」は割安を意味しません。
成功報酬:計算例で見る実額
成功報酬は率で表示されるため、実額の感覚がつかみにくいものです。
| 採択額 | 成功報酬10%の場合 | 成功報酬20%の場合 |
|---|---|---|
| 50万円 | 5万円 | 10万円 |
| 200万円 | 20万円 | 40万円 |
| 500万円 | 50万円 | 100万円 |
| 1,000万円 | 100万円 | 200万円 |
率が10%違うだけで、手元に残る金額が数十万円変わります。契約前に「成功報酬の上限額が設定されているか」は必ず確認してください。
見落とされがちな「別途費用」
- 加点項目の取得支援(経営力向上計画、事業継続力強化計画など)は別料金であることが多い
- 採択後の交付申請・実績報告が契約範囲外になっているケースがある
- 不採択時の再申請が「新規案件」扱いで着手金が再発生する契約もある
特に3点目は、契約書で明記されていないとトラブルになります。
費用より先に確認すべきこと——その事業者は、書類を作成できますか
ここからが本題です。
補助金申請の支援を掲げる事業者は数多くあります。しかし、報酬を得て官公署に提出する書類を作成できるのは、法律上、行政書士に限られます。
行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類(略)その他権利義務又は事実証明に関する書類(略)を作成することを業とする。
そして同法第19条第1項は、行政書士でない者がこの業務を業として行うことを禁じています(一部例外あり)。
補助金の申請書・事業計画書は、まさに「官公署に提出する書類」です。つまり——
- 無資格のコンサルタントが報酬を得て申請書類を作成する行為は、行政書士法に抵触するおそれがあります。
- 一方、助言・コンサルティングにとどまる支援(書類はあくまで事業者本人が作成する)は、資格がなくても可能です。
「申請代行します」と謳いながら実態が前者であれば、その契約自体にリスクがあります。依頼先を選ぶ際は、料金表よりも先に「行政書士であるかどうか」を確認してください。
経営力向上計画も同様です
加点項目としてよく用いられる経営力向上計画についても、その申請書類の作成代行は行政書士の業務範囲に含まれます。補助金申請書類の作成とは別個の業務であり、別料金が発生するのが通常です。
依頼前に準備しておくと費用を抑えられるもの
着手金は「作業量」に連動します。以下が手元にあるだけで、見積もりは変わり得ます。
- 直近2期分の決算書(申告書一式)
- 何に、いくら使いたいか——設備なら型番と見積書、広報費なら施策の内容
- GビズIDプライムアカウント——発行に2〜3週間かかります。検討を始めた時点で取得申請を
- 事業の現状と課題のメモ——箇条書きで構いません。これがあるとヒアリング時間が短縮されます
特に3番目のGビズIDは、取得が遅れると締切に間に合わなくなる最頻出の失敗要因です。
まとめ
- 補助金申請支援の相場は着手金3〜15万円+成功報酬10〜20%が中心帯
- 「着手金0円」は割安ではなく、成功報酬率が高く設定されている
- 事業承継・M&A補助金は枠ごとに別物のため、一律の相場は存在しない
- 報酬を得て申請書類を作成できるのは行政書士のみ。料金より先に確認すべき点です
当事務所の対応制度と料金
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